「台湾の航空会社がボーナス10ヶ月分を支給した」──。
2024年から2025年にかけて、台湾の航空業界のニュースでこんな見出しを見て驚いた方も多いのではないでしょうか?
現在、台湾の航空業界は、現在「航空バブル」とも言える状況です。
そこで、本記事では、主要4社(チャイナエアライン、エバー、タイガーエア、スターラックス)の2025年最新の年収事情と、賞与ランキング、ニュースには載らない「給与構造のカラクリ」を解説します。
【2025年最新版】台湾航空会社の平均年収・ボーナス一覧
まずは、業界を騒がせている「景気の良い数字」の裏付けを見ていきましょう。そもそも、なぜこれほどまでに台湾の航空会社は羽振りが良いのでしょうか。
なぜ台湾の航空業界はこれほど高待遇なのか?
最大の要因は、コロナ後の「リベンジ消費」が2025年現在も継続しており、特に台湾人の海外旅行熱(日本旅行ブーム含む)が極めて高い水準で安定していることです。座席供給が追いつかないほどの需要が、航空会社の利益を押し上げています。
また、日本人にとって見逃せないのが「円安・台湾ドル高」の影響です。
5-10年前までは「台湾の給料は日本より安い」が定説でしたが、為替レート(1台湾ドル≒4.7〜5.0円前後)の影響により、日本円換算すると日本の航空会社を超える年収水準に見える「為替マジック」が発生しています。
主要4社の平均年収&ボーナス実績まとめ
以下は、台湾証券取引所の公開データや各社の発表に基づく、非管理職(一般社員)の待遇目安です。

| 航空会社名 | 分類 | 平均年収目安(TWD) | 日本円換算目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| タイガーエア台湾 (台湾虎航) | LCC | 約105〜110万 | 約480〜510万円 | 【航空王】 少数精鋭で利益率が高く、還元率が異常に高い。 |
| チャイナエアライン (中華航空) | フルサービス | 約107〜110万 | 約490〜510万円 | 【安定の公系】 基本給と福利厚生のバランスが良い。 |
| エバー航空 (長栄航空) | フルサービス | 約102〜105万 | 約470〜490万円 | 【民間最大手】 組合の交渉によりベースアップ傾向。 |
| スターラックス航空 (星宇航空) | フルサービス | 80〜110万 | 【新興勢力】 投資フェーズのため賞与は控えめだが将来性あり。 |
※日本円換算は1TWD=4.6円で算出。職種(パイロット、CA、地上職)により大きく異なります。
2024年台湾航空業界の賞与ランキング
2024年はコロナも完全に終わったため、各社業績が良く、タイガーエアではなんと10ヶ月分のボーナスが支給されています。

ニュースには載らない「台湾給与の3つの落とし穴」
「ボーナス10ヶ月なら、何でもできそう」と思うかもしれませんが、台湾企業特有の給与構造は少し違います。
日本とは違う「底薪(基本給)」の低さ
台湾の給与明細を見ると、多くの人が「底薪(基本給)」が若干低いです。
例えば、月収が6万台湾ドルだとしても、基本給は4万ドル程度で、残りは職務手当や食事手当などで構成されているケースが一般的です。
ここで注意が必要なのが、ボーナス(年終奨金)の計算式です。「給与の10ヶ月分」と発表されても、会社によっては「基本給(底薪)×10ヶ月」の場合があります。つまり、月収全額の10倍が貰えるわけではないのです。
また、業績連動型のため、不況になればボーナスは即座にカットされ、低い基本給だけが残るリスク(ハイリスク・ハイリターン)があることを理解しておく必要があります。
2. CA・地上職の給料を支える「日当(パーディアム)」の差
航空業界の給与を語る上で欠かせないのが、「日当((Per Diem / 外站津貼)」と呼ばれる滞在手当です。これは基本的に非課税で支給されるため、実質的な手取り収入に直結します。
- フルサービス(エバー・チャイナ):長距離路線が多く、海外ステイ(宿泊)が発生するため、日当が月に数万台湾ドル単位で入ります。
- LCC(タイガーエア):効率重視で「日帰りフライト(ターンアラウンド)」が中心。ステイが少ないため、パーディアム収入は少なくなります。
つまり、タイガーエアは「ボーナスは凄いが、毎月の手取りはフライト手当次第」、フルサービスは「ボーナスもまあまああり、毎月の手取りが安定して高い」という構造的な違いがあります。
付随する問題:桃園(南崁)エリアの家賃上昇と生活コスト
多くのクルーや空港職員が住む桃園市の「南崁(ナンカン)」エリア。
航空業界の好況と台湾全体の物価上昇に伴い、このエリアの家賃相場も高騰しています。
日本円換算で年収が上がったように見えても、台湾現地での食費(外食費)や家賃を差し引くと、「自由に使えるお金(可処分所得)」は想像ほど増えていないという印象です。
求職者向けタイプ別診断:あなたにおすすめの台湾航空会社はどれ
ここからは求職者向けです。キャリア志向に合う航空会社はどこか、3つのタイプに分類しました。
① ボーナスを狙うなら「タイガーエア台湾」
- 向いている人:体力に自信がある人、変化を楽しめる人。
- 理由:LCC特有の「レッドアイ・深夜早朝便(紅眼班機)」も多く体力勝負ですが、業績がダイレクトにボーナスに反映される今の勢いは圧倒的です。「航空王」の恩恵を受けたいならここです。
② 安定と福利厚生重視なら「エバー・チャイナエアライン」
- 向いている人:長期的に働きたい人、手厚い福利厚生を求める人。
- 理由:歴史ある企業だけに、教育制度や福利厚生(Zチケットの使いやすさ含む)が成熟しています。ボーナスの爆発力はLCCに劣っても、毎月の安定した高収入と社会的信用が得られます。
③ ブランドと将来性に賭けるなら「スターラックス」
- 向いている人:新しいブランドを一緒に作りたい人、おしゃれな環境で働きたい人。
- 理由:現時点でのボーナスは他社に劣りますが、ブランド力は絶大です。黒字化と路線拡大が進めば、将来的に待遇が大手2社に並ぶ、あるいは抜く可能性を秘めた成長株です。
台湾の航空業界へ転職するために必要な準備
最後に、実際に台湾の航空会社を目指すためのポイントを整理します。
実際に求められる語学力
- 英語:TOEIC 650〜750点以上は足切りライン。実務ではそれ以上のスピーキング能力が必須です。
- 中国語:TOCFL(華語文能力測験)のB1〜B2レベル以上が目安。機内や社内でのコミュニケーションにおいて、中国語ができることは大きなアドバンテージ(あるいは必須条件)となります。ただ、友人曰く英語ができれば大丈夫とも言っておりました。
「日本ベース」か「台湾本社採用」か
採用形態には大きく分けて2つあります。
- 日本ベース採用:日本の空港支店勤務。給与は日本円で、日本の労働法が適用されます。安定していますが、台湾本社のボーナス恩恵をフルに受けられない場合があります。
- 台湾本社採用:台湾に移住して勤務。給与は台湾ドル。今回の記事で紹介した「10ヶ月ボーナス」などの恩恵を直接受けられるのは主にこちらの契約です。
まとめ
求職サイト
エバー航空採用:公式サイト
タイガーエア:公式サイト
チャイナエアライン:公式サイト
スターラックス:公式サイト
出典:https://www.chinatimes.com/realtimenews/20240110003739-260410?chdtv
出典:https://www.ettoday.net/news/20240707/2772381.htm


